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本とか映画とかゲームとかの感想をだらだら掲載予定
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Posted by ぢゅん - 2009.10.19,Mon
エレン・カシュナー作。ハヤカワ文庫。
最近読んだ本の中では一番面白かった。
予備知識なしでタイトルと表紙に惹かれた。男装の少女が剣を抱いてるやたら綺麗な絵。
調べたらロードオブヴァーミリオン(トレーディングカード)やコバルト文庫の表紙も手掛けてる人だそうで、なるほど自分が釣られた訳が分かったぜ!
舞台は中世ヨーロッパっぽい世界。
金に困った田舎貴族の少女が公爵である伯父の命令で都会に出てきて、剣客になる話。
主人公キャザリンは最初こそ男装や稽古を嫌がるものの、こちら(読み手)がウザいと感じる前に気持ちを切り替えて修行に励むようになるのでいい感じで読み進められた。
考えてみたらある意味「友情・努力・勝利」の話な気がする。
同性との恋愛当たり前な世界観でもその辺の描写は控えめだし。
剣の師匠や変人の伯父もいいキャラだったけど、伯父の従僕のマーカスとの友情描写がとにかくツボに入った。歳の近い相手が他にいないにしても、なにこの臆面もない友情。
やたら強気なキャザリンと敬語なのに敬意が感じられないマーカスとのやりとりが楽しい。

ここまででも十分長いと思うけどさらに続く。ほぼ自分のための読書記録。
ピンポイント過ぎる上にネタバレ。

***
修行場面
一人目の師匠が一度だけキャザリンを名前で呼んだシーンが印象的。
二人目の師匠との生活も淡々とした中に幸福感が感じられて、連れ戻された時は読んでる自分も何となく残念な気分に。
でもその後からマーカスとの友情パートが増えてきてどんどん引き込まれていった。

友情
とりあえず友情としておく。
あなたも僕と同じで公爵に買われたんですよ的な憎まれ口は、好きな子ほどいじめたいパターンというよりは同一化願望?もちろん本人は意識してないだろうけど。本来は使用人とお嬢様な訳だし。
『BLOOD+』再視聴したばかりなので、動物園時代の小夜とハジを思い出す。この二人も他に友達いませんコンビなんだよなー。
最近、お嬢様と従者ものに当たる事が多いなあ。わざわざ選んだ訳でもないのに不思議。
でも、本作の二人は主従というより共犯者かも。
親しくなるにつれてレディ・キャザリン、ケイトさん、ケイティと呼び方が変わっていく所も分かりやすくて良かった。

展開
剣客として最大の見せ場と思われた「挑戦」が結構早めに決着したので、その先が全く想像つかなかった。
特に娼館に潜入する辺りからは、一体どう転がっていくのか見当つかなくて明け方までかけて一気に読み終えた。

公爵が敵の策略を上手くかわして地団太踏ませてやるのかとばかり思ってたんで、乱暴な幕引は予想外。師匠呼んだ意味なくない?
しかし姉妹編『剣の輪舞』は18年前の公爵と師匠が主役だったそうなので、公爵が自ら手を汚した事・最後は師匠と共にある事を選んだ点が実は結構重要だったりするのかもしれない。

アルテミシアとは一度話して一度笑われただけなのにそこまでするほどの友人か?と思った。
まぁそれ以前に同じ女性として許せないんだろうけど。
しかしお互いを物語の人物に当てはめた手紙のやりとりとか、自分に酔ってるとしか見えん。
わざと「女同士の薄っぺらい友情ゴッコ」として描かれてるのかとばかり思ってた。
だってマーカスとは殴りあって友情はぐくんでるし(笑)
が、終盤のアルテミシアを見るに、どうやら本当の友情になったようで。

マーカスとはこの後どうなるんだろう。
友情があまりに強固すぎて、行きつく所までいっちゃった後でも恋愛よりは親友って印象が強い。二人のやりとり面白くて好きなんで、ずっと一緒にいてほしいんだけど。
作中で貴族だからって無理に結婚しなくても云々って台詞が出てくるし伯父がアレだし本人も破天荒だし、でも公爵家だし。どうなってもおかしくないんだよなー。
てな訳で40年後設定の『王と最後の魔術師』も読んだ。
期待しすぎないよう自分に言い聞かせてからページ開いて正解。
キャザリンは人物紹介の三番目に名前出てる割に出番は多くないような。
マーカスも一応出てくるけど、そこに至るまでの説明がもうちょっとほしかったなー。
全部語れとは言わないけど。
二人の友情には変わりないようなのは何より。
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